卵の孵化状況を調べる浅川さん=下田市吉佐美の多々戸浜海岸

 ■多々戸は最低32% 

 県の希少野生動植物に指定されているアカウミガメの保護、調査活動を行う下田海中水族館は7日、下田市の田牛海岸と多々戸浜海岸で卵の孵化(ふか)率を調査した。田牛は95・4%(108個中103個)で1991年の調査開始以来過去最高、多々戸浜は32・6%(135個中32個)でこちらは過去最低だった。

 アカウミガメは、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧1B類(EN)に指定され、北太平洋では日本が唯一の産卵場所という。東海地域の平均孵化率は60~70%とされている。

 田牛では7月6日に産卵があり、8月28日に孵化した。同水族館によると、孵化率が高かった理由として、地中の温度や卵の位置関係など複合的な要因が重なり、良好な環境が整った可能性が考えられるという。

 多々戸浜では6月4日に産卵があり、8月19日に孵化が確認された。孵化率が低かった要因の一つとして、産卵のあった穴が最深約60センチとかなり深く、孵化も平均と比べて約2週間遅かったことなどから、卵が十分に温まらなかった可能性がある。

 同水族館の営業課長浅川弘さんは「今回の知見を今後の保護活動に生かしたい」と話し「来年も産卵があると思うので、砂浜に足跡などを発見したらすぐ連絡してほしい」と呼び掛けた。

 【写説】卵の孵化状況を調べる浅川さん=下田市吉佐美の多々戸浜海岸