身近な品物でサバイバルグッズづくりに取り組む訓練参加者=下田市の下田幼稚園

 「地域防災の日」の2日、県内全域で地域防災訓練が行われた。駿河トラフから南海トラフを震源域とする大規模地震が発生、県内各地で震度7~6弱を観測し、建物倒壊や地盤の液状化、火災が相次ぎ、沿岸部には大津波が襲来したとの想定。賀茂6市町では、自主防災会を中心に233団体・約1万8300人が参加し、避難、救護、初期消火、避難所設営などの訓練を繰り広げた。

 ■ サバイバルグッズを作製 避難所開設に大和区の51人―下田

 下田市一丁目の大和区自主防災会(高月哲雄会長)は、一時避難所の市立下田幼稚園を会場に避難所開設訓練を行った。消防団を含む住民51人が参加し、避難生活に必要な訓練を実践した。

 訓練は、まず避難者リスト(訓練参加者)を作製し、避難者を確認した。2グループに分かれ、園庭でテントと簡易トイレを組み立て、園舎内でサバイバルグッズの作製に取り組んだ。

 サバイバルグッズは、新聞紙でスリッパ、レジ袋でおむつカバー、ラップでひもを作った。ラップは傷口の応急保護や寒い時に体に巻く保温効果など、多用途に利用できることを学んだ。

 会場に土砂災害・洪水、津波のハザードマップや、災害時における傷病とその管理のポイントを張り出し、防災士の資格を持つ高月会長から説明を受けた。炊き出し訓練を兼ね、最後に保存食を試食した。

 高月会長は「訓練でできないことは本番でもできない。訓練に参加し、防災意識を高め、防災知識を学んでいくことが大切だ」と話した。

 ■徘徊高齢者に優しく声掛け―東伊豆白田

 東伊豆町白田区(高羽勇区長)は、白田中央公園などで認知症の高齢者への声掛け訓練を行った。地域防災訓練の一環。要援護者に対する大規模災害時の備えを強化した。

 町地域包括支援センターの協力で毎年取り組んでおり4回目。一般住民や消防団員、介護事業所従業員ら85人が参加した。

 「墓参りに来て帰れなくなり徘徊(はいかい)している」との想定で、6グループに分かれ同従業員扮(ふん)する高齢者役に声を掛けた。参加者は▽ゆっくり優しく▽徘徊する理由を尊重▽対応を急がない▽自尊心を傷つけない―の注意点に気を付けながら実践した。家庭や事業所での巡回実習も行った。

 高羽区長は「声を掛けるのは勇気が要るが、習うより慣れろ―で繰り返し行うことが大切」と話した。

 町によると、認知症の人は11月1日現在499人で65歳以上(5463人)の11人に1人の割合という。

 ■小坂山津波避難路を補修―南伊豆手石

 南伊豆町の手石区6~9班の有志10人が2日、小坂山津波避難路の補修を行った。防災訓練に併せて、階段80段超の手作りの道を直した。

 避難路は2011年春に有志が設置し、ロープの手すり付き階段で海抜28メートルまで登れる。作業では土砂の除去や倒木の撤去をした。

 町の補助で階段をプラスチック化するなど対策をしてきたが、近年は倒木やイノシシの害で荒れた所が多かった。世話人の杉本育男さんは「時間が経ち訓練は形骸化しつつある部分がある。逃げ道を整備し続けることで防災の啓蒙にもつなげたい」と話した。

 ■白旗振りヘリ誘導―松崎道部

 松崎町道部の町営グラウンドでは、同地区の自主防災会と町、県などが合同で陸上自衛隊第1飛行隊ヘリの離着陸訓練を行った。被災時の孤立を想定し、民間による誘導に取り組んだ。

 自主防災会長の松江秀隆区長が自衛隊員、県賀茂地域局職員からヘリへの合図の方法について「着陸に支障がない場合は白旗を左右に大きく振る。支障有りと判断したら両手をクロスさせて知らせるように」などと説明を受けた。ヘリが上空で旋回すると、松江区長がグラウンドに描かれたヘリポートの中央に立ち、旗を大きく振って合図を送った。

 実際には着陸せず、上空で着陸体勢を取ることで訓練を終了した。松江区長は「(ヘリへの)合図の出し方を初めて知った。被災時に備えるためにも学び、体験することが重要だと再確認できた」と話した。

 【写説】身近な品物でサバイバルグッズづくりに取り組む訓練参加者=下田市の下田幼稚園

 【写説】認知症の高齢者役(手前右)に声を掛ける訓練参加者=東伊豆町の白田中央公園

 【写説】補修された避難路の階段=南伊豆町手石

 【写説】白旗を左右に大きく振りヘリを誘導する松江区長=松崎町道部